カンホアの塩と他との違い
他の塩との違いは原料と製法にあります。
カンホアの塩の原料はカンホア・プロヴィンス、ホンコイ村の海水100%。 澄みきったきれいな海水を使用しています。
すべての塩が海水を原料としていれば、シンプルに「塩の違いは製法にあり」となりますが、塩の原料は海水だけではなく、塩によっては「天日海塩」、「岩塩」、さらに「ニガリ(苦汁)」を原料とする塩もあります。
「天日海塩」や「ニガリ」、また「岩塩」は海水を原料として出来たものです。つまり海水以外の「原料」は、海水がそれらになるまでの「製法」や「出来方」を内包している「原料」なのです。
したがって、それらはすでに海水のパーツ(部分的なもの)であり、海水とは異なるもの。よって、海水とは区別されます。異なる「原料」から作れば、それなりに異なる塩が出来上がります。
海水の中にはさまざまなミネラルが含まれますが、海水が凝縮していく過程で、ミネラルによって析出する(塩になる/固形化する)
タイミングがそれぞれ違います。
上の図は、塩の代表的な成分である、カルシウム分(CaSO4)・塩(NaCl)・マグネシウム分(MgCl2・MgSO4)、カリウム分(KCl)が析出するタイミングを示しています。右へ行くほど海水が濃くなっていきます。
Naclはしょっぱい。マグネシウム分は苦い。カリウム分は酸味に近い味。そして、カリウム分は無味ですが、まろやかさの素になります。
海水の塩分濃度は3.4%。この3.4%を天日で濃くしていき、塩をつくるのですが、濃くしていく過程で、段階的により小さな塩田へと移していきます。カンホアの塩の最後の(収穫する)塩田は5×10mほどのサイズになります。
釜焚きの製法の塩の場合は、この最後の塩田が釜になります。海水100%を原料にした塩づくりの場合、この最後の塩田(または釜)にどの濃さの海水を入れるか、そしてどの濃さで収穫するかによって含まれるミネラルが変わり、出来上がる塩の味が決まってきます。
上の図で分かるとおり、塩の成分であるNaclの前に、カルシウム分などが析出してきます。ニガリは 塩の収穫が終わった後の残った液ですから、マグネシウム分やカリウム分は豊富に含んでいます。
しかし、カルシウム分など、それ以前に析出してしまっている成分は含まれません。ですからNaclとニガリを混ぜて塩を作ると(いわゆる再生塩)、しょっぱさと苦味・酸味だけのバランスになりがちです。
苦味成分や酸味成分が多くても、カルシウム分など他の成分も含まれることにより、しょっぱさはもちろん、苦味や酸味も角が丸くなり、味に奥行きが出ます。「奥行き」とは、塩をなめたとき、しょっぱさを感じた後の甘味(または余韻みたいなもの)です。
人間は、いろんな味を同時に感じることは難しいものです。例えば、しょっぱさと甘さと辛さを同時に感じることはできません。塩はそもそもしょっぱいものですが、その他の味はしょっぱさの後に感じます。
また、「海水100%が原料」と同時に、「収穫する塩田に塩分濃度が15%になった海水を入れ、30%で収穫している」こともカンホアの塩の味の「奥行き」(または複雑さ)には欠かせません。
通常より早い15%入れは、カルシウム分だけではなく、もちろん、他の微量ミネラルも多くなります。そして30%での収穫によって塩が苦過ぎずに出来上がります。
3.4%しか濃度のない海水をなめてみても苦味を感じるものなのに、それが全部塩になったら食べられない事は容易に想像出来ると思います。
よく「ミネラル豊富な塩」という言い方を見聞きしますが、ミネラルも単純に多ければいいという訳ではなく、そのバランスが大切なのです。
カンホアの塩の姉妹品
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